投影及び投影設定
地図とは地球表面の全部または一部を平面上に描いたものです。投影(Project)とは地球表面を平る描く方法です。地図の投影方法は円筒図法(Cylindrical Projection)、円錐図法(Conical Projection)、方位図法(Azimuthal Projection)などに分類されています。
地球上のある場所の位置を示したい場合、座標値を使って定めます。座標値は座標系により表現し、投影方法などにより違います。
緯度経度位置を示す基準は測地系で、地球(楕円体)の形によって分かれます。わが国使用している測地系はTokyo、JGD2000、JGD2011、WGS84です。Tokyo (Tokyo Datum)が1918年から2002年まで、JGD2000が2002年から2011年まで使われ、現在はJGD2011が使われています。TokyoとJGD2000は、概ね400mのズレ、JGD2000とJGD2011は、数センチ程度のズレ、JGD2000/JGD2011とWGS84とのずれはセンチ以下といわれています。JGD2011は、2011年東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動が非常に大きかったため、切り替えられました。
GISで使用される一般的な座標系は次の2種類、緯度経度の球面座標系(緯度経度座標系)、横メルカトルなどの投影座標系です。
わが国でよく使用する座標系は緯度経度座標系、平面直角座標系、UTM座標系、メルカトル座標系などです。
・緯度経度座標系
赤道を経度0、旧グリニッジ天文台跡を緯度0度の位置を示し、広範囲を向きの座標系、特にGPSによく使われています。よく使用する緯度経度座標系はWGS84、JGD2000、JGD2011などがあります。
「平成14年国土交通省告示第9号」で定義され、日本を19区域に分割し、ガウス・クリューゲルの等角投影法で投影し、各ゾーンに座標原点を設け、その原点を通る子午線をX軸、これに直交する方向をY軸としたものです。各座標系(1系〜19系)の原点の値はX=Y=0メートル、X軸上における縮尺係数は0.9999となります。原点東と北プラス、西と南はマイナス、原点から東西130kmを適用範囲とします。
・UTM座標系:
ユニバーサル横メルカトル図法の投影、南緯80度から北緯84度までの間を西経180度から東向きに6度ずつ1から60のゾーンに分割されます。各経度帯の中央経線を赤道をの交点を原点とします。日本は51-55帯に位置します。
・Webメルカトル座標系:
Googleマップ、Yahoo!地図、地理院地図で使用される投影法で、緯度を南北85度以内で切り取り世界を正方形としたものです。正方形を縮尺によって分割していき、画像タイルとして画面上に並べ、転送・表示を可能としています。
EPSGコードはEuropean Petroleum Survey Group(EPSG)という団体によって作成、座標参照系、測地系、本初子午線、地図投影法等のパラメータの集合体どうしを区別するためにコードを割り振ったコード体系のことです。Spatial Referenceでもコード番号から調べることができます。
表:よく使用するEPSGコード、測地系、座標系
EPSG | 測地系 | 座標系 |
---|---|---|
4612 | JGD2000 | 地理座標系 |
2443-2461 | JGD2000 | 平面直角座標系1系から19系まで |
3097-3101 | JGD2000 | UTMゾーン51から55まで |
6668 | JGD2011 | 地理座標系 |
6669-6687 | JGD2011 | 平面直角座標系1系から19系まで |
6688-6692 | JGD2011 | UTMゾーン51から55まで |
4301 | Tokyo | 地理座標系 |
30161-30179 | Tokyo | 平面直角座標系1系から19系まで |
3092-3096 | Tokyo | UTMゾーン51から55まで |
4326 | WGS84 | 地理座標系 |
3395 | WGS84 | メルカトル座標系 |
3857 | WGS84 | Webメルカトル座標系 |
Shapeのprj拡張子ファイルは投影情報を記載され、テキストエディターで確認できます。投影情報のEPSGコードが分かりましたら、Spatial Referenceでprjファイルをダウンロードできます。
Tifファイルは投影情報はファイル内部に記載され、「ツール」-「TifからGeoTifへ変換」で書き込めます。この場合、位置情報のtfwファイルは同じフォルターに置け、投影情報はEPSGコードから選べ、Tifファイルに投影情報と位置情報を書き込めます。
マップ新規作成する場合、投影設定が必要です。新規作成に使用するShpae/Tifファイルは投影情報がある場合、自動的に投影情報を読み込んでマップ作成することが可能です。投影情報がない場合、ユーザーが投影設定が必要です。「マップ新規作成」の設定画面に「地理座標系/投影座標系の設定:」欄の右側のボタンで投影設定フォームを起動し、座標系を選択します。なお、Tifファイル位置情報も必要、tfw位置情報ファイル付属する場合、同じフォルターに置けば、位置情報を読み込めます。
「定義済みレイヤー」によりマップ新規作成する場合、投影はすでに定義され、マップ表示画面に右ボタンクリックし、「マップ投影情報」を選択すれば、投影情報が表示されます。
マップに新規レイヤーを追加する時に、必ずファイルの投影情報を確認し、現在表示マップの投影情報と一致することが必要です。一致しない場合、「ツール」-「Shape/Tif投影変換」を使用してマップと同じ投影情報へ変換します。
参考資料:
田中好國 地図投影法の数理的理解の方法について 兵庫地理、32:20-29
国土地理院 わかりやすい平面直角座標系