ETOPO1地球数値データの表示

 アメリカ海洋大気庁(NOAA)の国家環境情報センター(NCEI)が無料提供しているETOPO1地球数値データをTIFファイル作成し、nkMapViewで表示します。

1.ダウンロード

  NCEIのサイド Grid Versions項目の下にある『ETOPO1 Ice Surface』『grid-registered:』と書かれてる右の「netCDF」というリンクをクリックします。 そしたら「ETOPO1_Ice_g_gmt4.grd.gz」というファイルをダウンロードします。これがGMTで使用できる数値データになります。

 ちなみに、ETOPO1には2種類のデータがあるのですが、ETOPO1 Ice Surfaceとあるのは南極やグリーンランド地域の氷の表面バージョンのデータです。対して、ETOPO1 Bedrockと書かれているのは上記の岩盤データです。南極やグリーンランド地域では岩盤は海面以下になる場所があり、岩盤データはそれらの地域を表示します。


2.GMT処理必要な環境の準備:

 GMT(Generic Mapping Tool)をダウンロードします。GMT(Generic Mapping Tool)はハワイ大学で開発され、全世界で利用されているフリーのマッピングソフトです。

 Ghost Scriptをダウンロードします。GMTで作成したEPS画像をTIFファイルへ変換します。

 Open Source Geospatial Foundationの地理空間情報ライブラリGDALを使用します。GMTで作成したTIFファイル画像に投影情報を書き込みます。バージョン2.2.4を使用し、ツールのgdal_translate.exe、gdalwarp.exe及びgdal202.dllを使用します。また、対応投影ライブラリが必要のために、ソースを修正し、再コンバイルが必要です。

 必要なgdalファイル及び投影変換用gdalライブラリをダウンロードします。


3.GMTの地図作成:

 ETOPO1_Ice_g_gmt4.grd.gz及びGMTOP32.zipを同じフォルタ−に解凍し、GMT及びGhost Scriptをインストールします。

4.地域地図作成及びTIF変換:

 次の例はJMメルカトル図法処理し、TIFで保存します。

...

set range=120/150/20/50

set size=M0/0/15

...

REM EPSよりGeoTIF変換 EPS->TIF

psconvert.exe %fig% -A -Qt -Qg -Tt -W+g

...

JMメルカトル図法の処理


5.世界地図作成時の投影方法及び変換:

 ユーザー定義メッシュの連続JX線形処理し、TIFファイルを保存します。後にTIFファイルに位置を付け、投影変換を行います。

...

REM JX 線形

set size=x0.5d/0.5d

...

REM TIFで保存

psconvert.exe %fig% -A -Qt -Qg -Tt

REM TIF位置付け TIF->GeoTIF

gdal_translate.exe -of "GTiff" -a_srs EPSG:4326 -a_ullr %lrange% %urange% %rrange% %brange% %filetif% %tif4236%

REM 投影変換 4326->3857

gdalwarp.exe -s_srs epsg:4326 %tif4236% -t_srs epsg:3857 %filemain%3857.tif

...

JX線形処理後、投影変換


6.GMTで作成可能の図法:

 円筒図法(CYLINDRICAL PROJECTIONS)、円錐図法(CONIC PROJECTIONS)、正距方位図法(AZIMUTHAL PROJECTIONS)、及びその他の図法(MISCELLANEOUS PROJECTIONS)の投影には作成可能です。ただし、高い緯度(65度以上/-65度以下)の円筒図法では正確的に変換されません。また、180/-180の境界の処理がエラーになり、近擬値179.999999/-179.999999で処理すれば問題がありません。また、心射図法(Gnomonic Projection)、ハンメル図法(Hammer Projection)、極座標系(Polar coordinates)は作成/変換途中にエラーになります。

 

参考資料:

自然環境保全のための周辺技術

ETOPO1の標高データを使い、色付きの等深線をGMTで描く 黒猫の旅〜過去から未来まで〜